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「詩と眞實」3月、4月、5月、6月、7月(熊本市)地震に襲われた一家、夫婦の愛情は北原政典「揺れる」

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2019年 7月15日(月)19時20分20秒
  通報 返信・引用 編集済
  ・月刊とは、たいしたものである。毎号50、60枚たらずの薄い同人誌であるが、通算で840号台に乗せる。

・創作では3月号に北原政典「揺れる」が熊本地震に襲われた一家の話を夫婦の愛情とともに描いていて読ませた。同じ号に武村淳「虹色のあじさい」が故郷に帰って来た若い女の子紫緒と人間のイケメンに扮した燕の精との交流という幻想的話で意外なSF的というか、童話的ファンタジーというか、ロマンを含んだ話は、もうひとひねりしたいところ。

 詩作品は尚泰二郎「ケロイド」、近藤菅男「石の詩」など二編、井本元義「喪失二」と並べたいずれも質の高い作品。

   母の記憶と僕の記憶が繋がる場所
   火傷の跡をそっと撫でると過去の扉が開く(尚泰次郎「ケロイド」最終連)

・4月号の小説は戸川如風「夕陽」が、戦国時代の武将・荒木村重が織田信長につくか毛利方につくかを迫られる場面を中心に、戦国時代を生きる武将の苦悩を描く。木下恵美子「山野行の闇」は、桜島が爆発した100年前に生まれた女の介護生活と思い出に生きる年寄りたちの生活とその周辺描写。

 詩作品は、林恭子「バルバラ」、井本元義「罪の木」、寺山よしこ「君はつねに進歩している」、右田洋一郎「さくらのころ~Мに」、富田薫夫「永遠」。このうち、やはり井本元義の作品がいい。なぜいいのか、朗読してみると理解出来る。言葉の流れに韻律があるからだ。いわゆる<意味的韻律>である。もちろん、他の作品も質の高い日本語の<現代詩>ではあるが、井本の作品は、欧米詩の源流である詩精神を継承しながら、日本語に転位した<意味的韻律>すなわち朔太郎の言うところの韻律のある作品であるため、優れた<現代詩>というのである。

    妄想の花よ はたして私の罪は何だったのか 虚の果実よ
    もう私を責め苛むな (井本元義「罪の木」最終連冒頭)

・5月号の小説は階堂徹「キャッチボール」が貧しい野球少年の話で読ませた。地区大会の強化キャンプに参加するには費用がかかる。それを母親に言い出せない小学生・・というような話。武村淳「藤棚のヴィーナス」は、前作のファンタジー風の作品を継承しシリーズものを意図しているのか、藤棚の女の妖精が素敵な連れ合い相手を捜す話。藤棚にやってくる男たちを物色していると・・という話は、ロマンチックだが、小説としての個性と魅力にはやや欠けるか。筆は達者なのだから、もっとシリアスなモチーフ、素材をネタに書いてほしい気がする。角田真由美「蛍の村」は、大手の商社の営業マンであった夫の修平は、友人に誘われて会社を興して間もなく倒産。廃車寸前の車で片田舎に逃亡しようと二人でやってきたのだが・・・という話。着想は面白い。

 詩作品は,さくら七海「ひこばえ」、寺山よしこ「こだわり」、井本元義「部屋」

    今夜は月も星もでていない
    やっと一日が終わる
    ぼくはこれからのすべての友人に絶交状を書こうと思う
              (井本元義「部屋」最終三行紹介)

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