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「カプリチオ」49号(東京都)その1 不思議な郷愁に誘われる玉置伸在「あべの筋を北へー梶井基次郎の葬列を追って」、大桑二郎「築地閉場」

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2019年 8月20日(火)23時31分48秒
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  ・玉置伸在「あべの筋を北へ」は、「梶井基次郎の葬列を追って」と副題がついているように、作者が「死にもの狂いに読んだのは梶井基次郎とアルベール・カミューの二人しかいない」と告白しているように、死にもの狂いに読んだ作家の一人である梶井基次郎の墓を訪ねる旅。梶井の足跡を写真と文章でつづって行くのだが、なかなか味のある旅を作者と共に楽しむことができる内容は、渋い味で読者を魅了してくれる。作者はもともと墓場巡りが趣味だそうで、「仕事の都合で東京から大阪へ棲み処を移したとき、最初に思ったのは、梶井基次郎のお墓へ行ってみたいということだった」と記しているのを読んで、なるほど、そのような作者かと、これまた作者の人物にも興味がわいてくるのである。

・大桑二郎「築地閉場」の題名を見たとき、小池都知事の顔と希望の党の異常な盛り上がりと、その後の酔い覚めの後味の悪さを思い出したものである。あの「希望の党」の政治興奮は、いったい何だったのだろうか・・。

 それはともかく、「築地閉場」の作品は、病を押して市場が最後と聞いて出かけることにした作者、という場面から始まる一風変わったエッセイ風の書き出しである。作者はかなり築地には詳しいようで、築地市場がなくなると聞いていたたまれず訪ねることにしたらしく、わざわざ店店を覗いてどのようなことになっているのか、確認しながら歩いていくところが、面白いのである。そして、最後に作者は次のように締めくくる。

「どういった気持ちでこういったことを書いていたのか、今ではわからない。しかし、築地に来てたえず何かを感じていたことは事実であった。ただ、自分にとっての築地は、空腹を満たしてくれた場所だけではなかった気がする」

 この作品はジャンル分けすると「エッセイ」になるのであろうが、こういう文章を読んでいると、小説かエッセイかなんて考えることがいかにもつまらないことのように思われ、作者と共に築地の味と臭いの歴史を噛み締め体験しつつ読み進むテレビ画面を見ているような不思議な気持ちになるのである。かくいう私は、昭和30年代前半に池袋界隈に住み、60年代後半に深川に住んで昔の築地を覚えているが、築地と聞くと東京の下町の思い出と共にタイムスリップして奇妙な郷愁に誘われるのである。

 ・訪ね行く道筋家並み幻のごとく蘇る青春の日々  石塚 邦男

 郵便ー156-0044 東京都世田谷区赤堤1-17-15

           「二都文学の会」草原克芳




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